団体貸出



「それいけ!あいうレンジャー」
永山 実加

 

あかいろは あっくんレンジャー
きいろは いっくんレンジャー
あおいろは うみちゃんレンジャー
3にんそろって
あいうレンジャー!
ジャンジャカジャーン!
こうえんで なかよし3にんぐみが
あそんでいるよ。

きんじょの おじいちゃんのあたまへ
あっくんの かみひこうきが どっでーん。
「ははは。わしのあたまを おひさまに まちがえたな。ツルッピカだから」
みんな わっはっはっ。
おおわらいしてるかおは
くっしゃくっしゃ。
おじいちゃんと いっしょだね。

いがぐりあたまの あっくんは
いつも げんきいっぱい。
げんきがよすぎて くちよりさきに
てやあしが ぽかんぽかん。
でも だれかをたたいたあと
かなしくなって
ひとりでないてるの
あとのふたりは みているよ

のんびりやの いっくんは
なにをするのも ゆっくり。
みんなと おなじように できなくて
すこしずれちゃう。
でも だれよりも
ふしぎにすてきな ことばで
おしゃべりするの 
あとのふたりは しってるよ。

ガハガハわらう うみちゃんは
おとこのこみたい。
ほんとは スカートだいきらいだけど
しょうがっこうの にゅうがくしきに
はく れんしゅう。
でも おとこのこでも おんなのこでも
いいじゃない。
あとのふたりは きにしない。

そして いよいよ しょうがくせい。 
3にんおんなじ 1ねん3くみ。
あいうレンジャーごっこを していたら
あたらしい おともだちが いったんだ。
「へんなの」
あっくんは そのこのあたまを ぽかん。

4がつのおわり はじめての さんかん。
たくさんの ひとのまえで
いっくんは うまくしゃべれなくて
ゆっくり ゆっくり。

ところで うみちゃんのスカートは
どうなったかな。
おや やっぱり たんパンのまま。
そのうち クラスのともだちが
「うみおくん」と よぶようになったよ。

3にんぐみの おうちのひとは
しんぱいになって
たんにんのせんせいに
そうだんに いったんだ。
せんせいは いったよ。
「あいう、ということばのおとだって
あか、き、あお、といういろだって
それぞれ ちがうように
みんな ちがっているのが とってもいい」

5月のある日の きゅうけいじかん。
クラスのおともだちが 2ねんせいに
てつぼうを よこどりされたのをみて
あっくんが ぽかん。
だけど 2ねんのおにいちゃんに
おかえしされちゃった。
いたかったけど あっくんは なかない。

みんな「えらいぞ!がんばれ!」と、おもったよ。

たいいくのじかんは
あせをかくくらい いいてんき。
せんせいが
「きょうは はるとなつの わかれめだね」
っていうと、いっくんが
「ちがうよ。はるとなつが まじっているんだ。
  なかよしだもん わかれないよ」って。
みんな「そうだね。いっくんって すごいこというやん」
と、かんしん、かんしん。

かえりみち。おじいちゃんが
バイクを よけようとして めのまえでころんだ。
うみちゃんは おおいそぎで はしりよると
ひょいっと さくをこえて すいろにおちた
おじいちゃんのぼうしを とってきたよ。
すいろにはいると おこられちゃう。
でもね、みんな「うみちゃん かっこいい」
と、おもったんだ。

せんせいは そんなはなしを
おうちのひとに つたえたよ。
クラスのおともだちは
3にんのことを だいすきに なっているって。
おとなだって きづくようになるって。
それから 6がつのさんかんびに
あることをしようと
おうちのひとに おねがいしたんだ。

さあ さんかんび。
せんせいのあいずで とびらのむこうから
3にんぐみが とびだしてきたよ。
おうちのひとに つくってもらった
あか、き、あおのふくをきて。
それいけ!あいうレンジャー
ジャンジャカジャーン!

クラスのみんなも うれしくなって
だいへんしーん。
いろんないろが すてきにまじった
1ねん3くみレンジャーの たんじょうだ!